サクラノ刻における主人公。
弓張学園卒業後、国立の芸術大学に進み、弓張学園の非常勤講師として勤めていた。
本作品では正規雇用となり晴れて美術教員となる。
生徒達と共に名門弓張学園美術部を復活させる。
波瀾万丈の人生を経て、
夏目家に入る。
夏目藍やとある人物との出会いによって徐々にその性格を変えていく。
筆を折った草薙直哉を
いまだに目標として追い続けている。
草薙直哉の天才性を信じている。
夏目家の長女にあたり、
圭のみならず直哉にとっても姉の様な存在。
草薙一族と中村一族の戦い、
中村一族と鳥谷紗希の戦い、
それらすべての証人であり、
すべてを知る者でもある。
多くの人に救われた人生であり、故に多くの人を救う人生でもある。
本間礼次郎の娘であり、
中村麗華の娘でもある。
麗華にそっくりな外見と、
礼次郎に似た恐ろしい瞳を持ち、鳥谷紗希をして「恐ろしい娘だ」と言わしめる。
ただし、非常に思慮深く、
丁寧な物腰であり、
危険性は一切感じさせない。
その事も紗希に混乱を与える。
ミサゴの冠羽を「心意気」と呼んでいる。
キマイラのオーナー兼マスター。
世界中を旅しており、コーヒー輸入のコンサルタントをしていたが、帰国してキマイラのマスターとなった。
飄々とした性格をしており、
捉えどころが無い。
弓張学園の支配者である
中村章一の妹。
強権を振るい、それまで自由な校風であった弓張学園を改革する。
敵も多いが、一貫した性格にはある程度の支持者もいた。
鳥谷紗希によるクーデター、
そして本間家との政略結婚などで、
その心を徐々に歪ませていく。
静流から与えられるハズであった『雪景鵲図花瓶』に異常な執着を見せている。
雑誌アートスクールの編集者。
『櫻達の色彩の足跡』の特集で昇進しデスクとなった。
碧緋や弓張市で起きている異変を感知して、弓張で取材を続けている。
いまだに処女。
弓張学園クーデターを成功させ、中村家を弓張学園から追放する。
その他、ありとあらゆる奸計を巡らせて、弓張学園を支配下においているが、
その地位は多重オーナー制という脆い橋の上に成り立っている。
それでも、その手腕は凄まじく
「カミソリ」とも呼ばれる。
サクラノ刻における主人公。弓張学園卒業後、国立の芸術大学に進み、弓張学園の非常勤講師として勤めていた。
本作品では正規雇用となり晴れて美術教員となる。
生徒達と共に名門弓張学園美術部を復活させる。
ニューヨークの個展で
『火(仮)』を発表、これが賛否両論の話題となったが、その対となる作品『水』と組み合わさる事によって完成される『火水』は
すべての批判者を黙らせるほどの作品であった。
この作品によって文展で特選を取り、その後も連続受賞をする。
「全てを見透かす眼」と呼ばれる恐ろしい視線を持ち、あらゆる芸術家を恐れさせる。
波瀾万丈の人生を経て、夏目家に入る。
夏目藍やとある人物との出会いによって徐々にその性格を変えていく。筆を折った草薙直哉をいまだに目標として追い続けている。草薙直哉の天才性を信じている。
その才能を認められて、日本屈指の名門宮崎絵画学校に幼くして入学する。
大人達に混ざりその実力を確かなものにしていく。
だが草薙直哉が描いた『火水』を見て自分の実力不足を痛感し「全てを捨てて無知の人となって絵画を描く」事を決める。
非常に極端な性格をしており気性も荒い。
雅号は『K』からとある時期に『夏目圭』となった。
夏目家の長女にあたり、圭のみならず直哉にとっても姉の様な存在。草薙一族と中村一族の戦い、中村一族と鳥谷紗希の戦い、それらすべての証人であり、すべてを知る者でもある。多くの人に救われた人生であり、故に多くの人を救う人生でもある。
自分が敬愛していた姉、水菜、そしてその夫である健一郎。その二人が出会った弓張学園に入学したいと考えていた。当時、教頭であった中村紗希のおかげでその願いは叶えられるが、夏目家の仇敵である中村麗華に目を付けられる。
本間礼次郎の娘であり、中村麗華の娘でもある。
麗華にそっくりな外見と、礼次郎に似た恐ろしい瞳を持ち、鳥谷紗希をして「恐ろしい娘だ」と言わしめる。
ただし、非常に思慮深く、丁寧な物腰であり、危険性は一切感じさせない。その事も紗希に混乱を与える。
ミサゴの冠羽を「心意気」と呼んでいる。
キマイラのオーナー兼マスター。
世界中を旅しており、コーヒー輸入のコンサルタントをしていたが、帰国してキマイラのマスターとなった。
飄々とした性格をしており、捉えどころが無い。
陶芸に打ち込んでおり、講師として赴任した陶芸家吉沢緑寺に師事する。師である吉沢は、弓張学園に残された陶磁器「碧緋」の謎を解こうとしている。この碧緋は静流自身の運命も左右する。
贋作『雪景鵲図花瓶』の作者。
弓張学園の支配者である中村章一の妹。
強権を振るい、それまで自由な校風であった弓張学園を改革する。敵も多いが、一貫した性格にはある程度の支持者もいた。鳥谷紗希によるクーデター、そして本間家との政略結婚などで、その心を徐々に歪ませていく。
静流から与えられるハズであった『雪景鵲図花瓶』に異常な執着を見せている。
雑誌アートスクールの編集者。
『櫻達の色彩の足跡』の特集で昇進しデスクとなった。
碧緋や弓張市で起きている異変を感知して、弓張で取材を続けている。
いまだに処女。
弓張学園クーデターを成功させ、中村家を弓張学園から追放する。その他、ありとあらゆる奸計を巡らせて、弓張学園を支配下においているが、その地位は多重オーナー制という脆い橋の上に成り立っている。それでも、その手腕は凄まじく「カミソリ」とも呼ばれる。
-櫻の森の下を歩む-
歳以上
初回限定版
14,080円(税込)
通常版
10,780円(税込)
他
歳以上
初回限定版
14,080円(税込)
通常版
10,780円(税込)
他
弓張学園美術部員。
美術部を復活させた立役者でもある。
元陸上部のエース選手であったが、故障して今は走る事が出来ない。
草薙直哉に恋心を抱いている。
弓張学園美術部員。美術部を復活させた立役者でもある。元陸上部のエース選手であったが、故障して今は走る事が出来ない。草薙直哉に恋心を抱いている。
弓張学園美術部員。
引っ込み思案な性格をしていたが、咲崎桜子に誘われて、何かを変えるために美術部復活に参加する。
弓張学園美術部員。引っ込み思案な性格をしていたが、咲崎桜子に誘われて、何かを変えるために美術部復活に参加する。
弓張学園美術部員。
三科展他、数々の公募で入賞している。
雅号は「ア・ロウアワーキウイ」で、これは姉である氷川里奈との遊びの中で生まれた名である。
天真爛漫な性格であるが、美術部員の中では唯一、
芸術が持つ恐ろしさを理解している。
弓張学園美術部員。三科展他、数々の公募で入賞している。雅号は「ア・ロウアワーキウイ」で、これは姉である氷川里奈との遊びの中で生まれた名である。
天真爛漫な性格であるが、美術部員の中では唯一、芸術が持つ恐ろしさを理解している。
弓張学園美術部員。
ルリヲとは幼い頃から仲が良い。
礼儀正しく、しっかりしているが、性欲を隠す事を全くしない。
弓張学園美術部員。ルリヲとは幼い頃から仲が良い。
礼儀正しく、しっかりしているが、性欲を隠す事を全くしない。
恩田霧乃の娘で、
夏目圭の妹にあたる。
本間麗華と、過去いざこざがあり、本間や中村家を嫌っている。
だが、寧が本間心鈴を憎む理由はもっと根本的な部分に根ざす。
ルリヲと共に、三科展受賞歴があり、学生レベルの画家ではない。
恩田霧乃の娘で、夏目圭の妹にあたる。
本間麗華と、過去いざこざがあり、本間や中村家を嫌っている。だが、寧が本間心鈴を憎む理由はもっと根本的な部分に根ざす。ルリヲと共に、三科展受賞歴があり、学生レベルの画家ではない。
弓張学園美術部員。
恩田寧とは幼なじみで、彼女の事をよく知っている。
泪川ドヤ街で長らく居酒屋のバイトをしている。
弓張学園美術部員。恩田寧とは幼なじみで、彼女の事をよく知っている。
泪川ドヤ街で長らく居酒屋のバイトをしている。
快挙中の快挙、十代にして世界最高峰のムーア展最高賞プラティヌ・エポラールを受賞する。
受賞後数年は意欲的に作品を発表してきたが、その後にぴたりと作品が発表されなくなる。
草薙健一郎をして「具現化」と呼ばせる、魔術的な絵画能力はすべての芸術家の中でダントツに高い。
快挙中の快挙、十代にして世界最高峰のムーア展最高賞プラティヌ・エポラールを受賞する。受賞後数年は意欲的に作品を発表してきたが、その後にぴたりと作品が発表されなくなる。草薙健一郎をして「具現化」と呼ばせる、魔術的な絵画能力はすべての芸術家の中でダントツに高い。
渡米した稟と共に行動している。
伝説の伯奇であった。
渡米した稟と共に行動している。
伝説の伯奇であった。
前衛芸術集団ブルバギの紅一点。
いつでも奸計を巡らせて生きている。
だが本質的には、直哉と真逆な意味で、もっとも純粋に芸術を愛しその呪いに取り憑かれた者でもある。
前衛芸術集団ブルバギの紅一点。
いつでも奸計を巡らせて生きている。
だが本質的には、直哉と真逆な意味で、もっとも純粋に芸術を愛しその呪いに取り憑かれた者でもある。
ニューヨークを拠点として活動する世界的芸術家。
自由奔放な性格をしており、その性格から友人も多い。
だが、旧友の恩田放哉からは
「美も醜も、祝福も呪いもすべて引き連れている。美の化物」と呼ばれる。
過去、宮崎絵画学校に所属していた時期があり、
宮崎破戒とは数年だけ師弟関係にあった。
ニューヨークを拠点として活動する世界的芸術家。自由奔放な性格をしており、その性格から友人も多い。だが、旧友の恩田放哉からは「美も醜も、祝福も呪いもすべて引き連れている。美の化物」と呼ばれる。過去、宮崎絵画学校に所属していた時期があり、宮崎破戒とは数年だけ師弟関係にあった。
ムーア財団所属。
現在東アジア担当の上級キュレーター。
古くからの草薙健一郎の知り合いで、彼のマネージャーの様な事もやっていた。
一癖も二癖もあり、直哉はいつも一杯食わされるが、今回はどうなるか。
ムーア財団所属。
現在東アジア担当の上級キュレーター。
古くからの草薙健一郎の知り合いで、彼のマネージャーの様な事もやっていた。一癖も二癖もあり、直哉はいつも一杯食わされるが、今回はどうなるか。
南部グループの副総裁であり、麗華の夫、心鈴の父であった。
鳥谷紗希をして「自分など、彼の前ならば使い捨ての百円カミソリだろうね」
と言わしめるほどの人物。
経済界の裏側で長く仕事をしてきており、
「全てを見透かすような眼」と呼ばれる眼力を持っている。
南部グループの副総裁であり、麗華の夫、心鈴の父であった。鳥谷紗希をして「自分など、彼の前ならば使い捨ての百円カミソリだろうね」と言わしめるほどの人物。
経済界の裏側で長く仕事をしてきており、「全てを見透かすような眼」と呼ばれる眼力を持っている。
宮崎絵画学校の教師。草薙健一郎とは大学時代の旧友。
宮崎絵画学校の教師。草薙健一郎とは大学時代の旧友。
日本画壇のトップであり、日本屈指の名門、宮崎絵画学校を作った。
この学校からはありとあらゆる天才が生み出されている。
草薙健一郎も一時期だけ籍を置いていたが、
破戒を激怒させ破門させられている。
宮崎破戒は終生、草薙家をライバル視している。
草薙健一郎、そして草薙直哉に対しても並々ならぬ対抗意識を持っている。
草薙健一郎と同時期にムーア最高賞の一つであるアルジャン・ドファンを受賞。
日本画壇のトップであり、日本屈指の名門、宮崎絵画学校を作った。この学校からはありとあらゆる天才が生み出されている。草薙健一郎も一時期だけ籍を置いていたが、破戒を激怒させ破門させられている。宮崎破戒は終生、草薙家をライバル視している。草薙健一郎と同時期にムーア最高賞の一つであるアルジャン・ドファンを受賞。
フランス人。
フランス人。
「穢された櫻が再び咲く。まるでこの櫻は、咲く刻を知っているかの様に、決まった周期で……みずからが咲く。櫻ノ刻をきざむ」
長山香奈は『櫻達の色彩の足跡』の前で呟いた。偽りの名がついた草薙直哉の作品なんていらない、だから私はこの絵画を穢したと嘯く彼女は何をもって、この言葉を口にしたのであろうか?
長山香奈と草薙直哉の対話から『刻』という物語は始まる。
「穢された櫻が再び咲く。まるでこの櫻は、咲く刻を知っているかの様に、決まった周期で……みずからが咲く。櫻ノ刻をきざむ」
長山香奈は『櫻達の色彩の足跡』の前で呟いた。偽りの名がついた草薙直哉の作品なんていらない、だから私はこの絵画を穢したと嘯く彼女は何をもって、この言葉を口にしたのであろうか?
長山香奈と草薙直哉の対話から『刻』という物語は始まる。
黙ってそっぽを向く鈴菜。
「うわぁ……、すごいよ。これっ。草薙ちゃんっッ」と、ルリヲに無理矢理顔を直哉側に向けさせられた鈴菜は、あり得ないほど顔を真っ赤にさせていた。
直哉に好意を寄せながらも、懸命に距離を取らなければならない鈴菜でも、やはりうれしい気持ちは止められなかった。
黙ってそっぽを向く鈴菜。「うわぁ……、すごいよ。これっ。草薙ちゃんっッ」と、
ルリヲに無理矢理顔を直哉側に向けさせられた鈴菜は、あり得ないほど顔を真っ赤にさせていた。
直哉に好意を寄せながらも、懸命に距離を取らなければならない鈴菜でも、やはりうれしい気持ちは止められなかった。
姉妹校から弓張学園に復帰した藍は、教師になった直哉の良き先輩であり、相談相手である。
直哉は教室では敬語、自宅ではタメ口という微妙な関係ではある。
姉妹校から弓張学園に復帰した藍は、教師になった直哉の良き先輩であり、相談相手である。直哉は教室では敬語、自宅ではタメ口という微妙な関係ではある。
正規雇用祝いで手料理を振る舞う藍。直哉はそれまで食べた事がない紅ショウガ鳥天のおいしさに驚愕する。そして、いつもと違いちょっと贅沢なビール。発泡酒でも第三のビールでもない、ちょっとした違いが、日常の幸せを実感させてくれる。
正規雇用祝いで手料理を振る舞う藍。直哉はそれまで食べた事がない紅ショウガ鳥天のおいしさに驚愕する。そして、いつもと違いちょっと贅沢なビール。発泡酒でも第三のビールでもない、ちょっとした違いが、日常の幸せを実感させてくれる。
夏目家に集まった弓張学園美術部の生徒達。再び動き出した部を祝う。
今度は藍もいるので、ジュースにお酒が混ざるような事はないであろう……。
夏目家に集まった弓張学園美術部の生徒達。再び動き出した部を祝う。今度は藍もいるので、ジュースにお酒が混ざるような事はないであろう……。
過去、美術部の部員と共に合宿し、そして花火を見上げたプール。水のないプールの底で二人は横になり、空の星々を見る。
「春の大曲線は、まるでブロンドの天使が描いた軌跡みたいだ」直哉はそう呟いた。
直哉の脳裏には夏目圭の姿があった。
過去、美術部の部員と共に合宿し、そして花火を見上げたプール。水のないプールの底で二人は横になり、空の星々を見る。「春の大曲線は、まるでブロンドの天使が描いた軌跡みたいだ」直哉はそう呟いた。直哉の脳裏には夏目圭の姿があった。
弓張で起きている異変を調べるために、直哉を尾行していた真琴はすぐに見つかってしまう。長山香奈が動いており彼女を追っているとの事であった。
「お前、髪の毛にワックスかけているの?」、その一言で帽子を深々とかぶる真琴。
「わ、私だって! まだそこまで捨ててるわけじゃないもん!!」と、近づいた直哉を怒鳴る。
どうやらお風呂に入ってなかった様だ……。
弓張で起きている異変を調べるために、直哉を尾行していた真琴はすぐに見つかってしまう。長山香奈が動いており彼女を追っているとの事であった。「お前、髪の毛にワックスかけているの?」、その一言で帽子を深々とかぶる真琴。「わ、私だって! まだそこまで捨ててるわけじゃないもん!!」と、近づいた直哉を怒鳴る。どうやらお風呂に入ってなかった様だ……。
ムーア展歴代の受賞作が展覧される催しが行われた。弓張学園美術部の生徒達が最後に集まった絵画は、夏目圭作『向日葵』であった。圭との想い出から抜け出し、その先、教師としての当たり前の人生を歩む事を決意する直哉であった。
ムーア展歴代の受賞作が展覧される催しが行われた。弓張学園美術部の生徒達が最後に集まった絵画は、夏目圭作『向日葵』であった。圭との想い出から抜け出し、その先、教師としての当たり前の人生を歩む事を決意する直哉であった。
天才を作るためだけに存在する宮崎絵画学校。青年芸術家達が集まる場所で、一人だけ不釣り合いな姿があった。中村圭。その後に『K』としてデビューし、雅号『夏目圭』として知られる若き天才画家だ。だが、彼はまだ知らない。宮崎絵画学校にいるどんな人間よりも、恐ろしいほどの美しさを引き連れた芸術家の存在を……。
天才を作るためだけに存在する宮崎絵画学校。青年芸術家達が集まる場所で、一人だけ不釣り合いな姿があった。中村圭。その後に『K』としてデビューし、雅号『夏目圭』として知られる若き天才画家だ。だが、彼はまだ知らない。宮崎絵画学校にいるどんな人間よりも、恐ろしいほどの美しさを引き連れた芸術家の存在を……。
日本画壇に脅威をもって迎えられた名画『火水』。あまりの技術の高さから青年であると思われていたが、その作者はまだ幼い少年であった。マスコミは連日の様に、文展を受賞した草薙直哉を報じた。
日本画壇に脅威をもって迎えられた名画『火水』。あまりの技術の高さから青年であると思われていたが、その作者はまだ幼い少年であった。マスコミは連日の様に、文展を受賞した草薙直哉を報じた。
ニューヨークの個展で発表された『火(仮)』は、戦争賛歌の絵画ではないか?と一部で話題になり、マスコミでも取り上げられる。だが、その絵を見た瞬間に中村圭だけが、この作品が持つ本質を見抜く。そして、それが今の自分では決して届かない場所である事も直感した。
ニューヨークの個展で発表された『火(仮)』は、戦争賛歌の絵画ではないか?と一部で話題になり、マスコミでも取り上げられる。だが、その絵を見た瞬間に中村圭だけが、この作品が持つ本質を見抜く。そして、それが今の自分では決して届かない場所である事も直感した。
文展で初めて出会う二人。だが、圭にとっては憧れであり、目指したその姿であった。
美の怪物、草薙直哉。
彼にとって終生のライバルであり、目指す背中であり、そして美によってつながった親友であった。
文展で初めて出会う二人。だが、圭にとっては憧れであり、目指したその姿であった。美の怪物、草薙直哉。彼にとって終生のライバルであり、目指す背中であり、そして美によってつながった親友であった。
すべてを捨てて無知の人となって絵を描き続ける圭。そんな圭の元に一人の少女があらわれた。彼女は出会うなり「夏目家に来い」と言った。意味も分からず抵抗する圭。
だが、小柄な少女なのにまったく抵抗が出来ない。
「うるさい! はなせゴリラ女!!」
「ゴリラ女とは、たいそうな言い方をするなぁ。お姉さんに向かって……」
すべてを捨てて無知の人となって絵を描き続ける圭。そんな圭の元に一人の少女があらわれた。彼女は出会うなり「夏目家に来い」と言った。意味も分からず抵抗する圭。
だが、小柄な少女なのにまったく抵抗が出来ない。
「うるさい! はなせゴリラ女!!」
「ゴリラ女とは、たいそうな言い方をするなぁ。お姉さんに向かって……」
「これ静流の作品でしょ?」、美術部に無数ある陶磁器からその作品を当てる中村麗華。
彼女はその他の作品もほぼ作者を当ててしまう。本物に囲まれているから自分には本物が分かる。それは家の力であり、そんな中村家に誇りを持っていると語る麗華。愚直なほど自らの血を信じる麗華と静流、その二人に大きな亀裂が入る事になる。
「これ静流の作品でしょ?」、美術部に無数ある陶磁器からその作品を当てる中村麗華。彼女はその他の作品もほぼ作者を当ててしまう。本物に囲まれているから自分には本物が分かる。それは家の力であり、そんな中村家に誇りを持っていると語る麗華。愚直なほど自らの血を信じる麗華と静流、その二人に大きな亀裂が入る事になる。
「私は火を焼べてしまったのだからな……」
釜にまき入れをしている静流に紗希は静かに言った。その言葉の意味を、この時にはまだ静流は正しく理解していなかった。
陶磁器に青春を捧げた鳥谷静流の人生が、この時から大きく動き出す。
「私は火を焼べてしまったのだからな……」、釜にまき入れをしている静流に紗希は静かに言った。その言葉の意味を、この時にはまだ静流は正しく理解していなかった。陶磁器に青春を捧げた鳥谷静流の人生が、この時から大きく動き出す。
親友同士であった中村麗華と鳥谷静流。だが、その関係も弓張学園クーデターによってすべてが変わってしまう。心がどんどん歪み荒んでいく親友を、鳥谷静流は変える事が出来るのだろうか? それとも静流は――
親友同士であった中村麗華と鳥谷静流。だが、その関係も弓張学園クーデターによってすべてが変わってしまう。心がどんどん歪み荒んでいく親友を、鳥谷静流は変える事が出来るのだろうか? それとも静流は――
弓張学園クーデターと、その代償。鳥谷紗希ですらどうにも出来ない事がある。
その事を、紗希は静流に話す。
弓張学園クーデターと、その代償。鳥谷紗希ですらどうにも出来ない事がある。その事を、紗希は静流に話す。
リモージュにやってきた鳥谷静流。ここで、彼女は長い長い夏休みを経験する。
これが、長い長い青春のあとしまつの始まりとなる。
リモージュにやってきた鳥谷静流。ここで、彼女は長い長い夏休みを経験する。これが、長い長い青春のあとしまつの始まりとなる。
誰の墓だか分からずに、幼い時から連れられてきた場所。そこにはいつも油絵の具が備えられていた。その意味を寧はとある年齢の時に教わり、はじめて彼女は油絵の具を手にする。
その時から、彼女は自分が絵画を描くのは運命であると思った。
誰の墓だか分からずに、幼い時から連れられてきた場所。そこにはいつも油絵の具が備えられていた。その意味を寧はとある年齢の時に教わり、はじめて彼女は油絵の具を手にする。その時から、彼女は自分が絵画を描くのは運命であると思った。
見た事がない技法、無数の筆と絵の具とが地面には並んでいる。巨大なキャンバスの前で片目をつぶり、何かを確認しながら色を落としている。恩田寧の描き方は、草薙直哉をしてもまったく理解しがたいものであった、だがそのキャンバスに太陽の光が差した瞬間――  。
「ただ一つの目標」にだけ絵を描いているという恩田寧、彼女の目標とはいかなるものであろうか?
見た事がない技法、無数の筆と絵の具とが地面には並んでいる。巨大なキャンバスの前で片目をつぶり、何かを確認しながら色を落としている。恩田寧の描き方は、草薙直哉をしてもまったく理解しがたいものであった、だがそのキャンバスに太陽の光が差した瞬間――。「ただ一つの目標」にだけ絵を描いているという恩田寧、彼女の目標とはいかなるものであろうか?
直哉が美術室に入ってきても気が付かないルリヲ。とてつもない集中力で絵画を仕上げていく。ア・ロウアワーキウイという雅号を持ち、三科展や複数の有名公募展を受賞してきた氷川ルリヲの姿は、絵画を辞めてしまっている姉、氷川里奈の全盛期を彷彿とさせた。
直哉が美術室に入ってきても気が付かないルリヲ。とてつもない集中力で絵画を仕上げていく。ア・ロウアワーキウイという雅号を持ち、三科展や複数の有名公募展を受賞してきた氷川ルリヲの姿は、絵画を辞めてしまっている姉、氷川里奈の全盛期を彷彿とさせた。
芸術とは、単なる美しいものではない。美という祝福と呪いを持ったものこそが、魂を揺さぶる。暗くなった部屋で一人立つ寧に、優しく語りかけたのは友人のノノ未であった。
芸術とは、単なる美しいものではない。美という祝福と呪いを持ったものこそが、魂を揺さぶる。暗くなった部屋で一人立つ寧に、優しく語りかけたのは友人のノノ未であった。
大音量のロックを聴きながら海を見つめる心鈴。
その横を通り過ぎようとした直哉は「ご挨拶だけで通りすぎるのですか?」と言われ一緒に海を見る。彼女はミサゴを指さし、そしてその冠羽を「心意気」だと呼んだ。
大音量のロックを聴きながら海を見つめる心鈴。その横を通り過ぎようとした直哉は「ご挨拶だけで通りすぎるのですか?」と言われ一緒に海を見る。彼女はミサゴを指さし、そしてその冠羽を「心意気」だと呼んだ。
猫をこよなく愛する少女、本間心鈴。だが、猫に愛される事はない。それは彼女が持つ独特な性質故であった。
猫をこよなく愛する少女、本間心鈴。だが、猫に愛される事はない。それは彼女が持つ独特な性質故であった。